5.11
アフリカン・フェスタ2013
トークショー「ユースの考えるアフリカ観」
5月11日(土)アフリカンフェスタ Hand in Hand ステージにて、トークショー「ユースが考えるアフリカ観」を開催致しました。
ゲストにNHK解説員・二村伸様、UNHCR広報官・守屋由紀様、フォトジャーナリスト・佐藤慧様にお越し頂き、TICADⅤ学生プロジェクトから辻とLabanを交えたパネルディスカッション。
そしてTICADⅤ学生プロジェクトの前田からキーノートスピーチを行いました。
― 気付かぬうちに持っているアフリカのイメージ「アフリカ観」
私たちは日本の中で生きていると、偏った「アフリカ観」を持ちがちです。
一歩踏み出して、実際にアフリカに行ってみると「あれ、イメージしていたアフリカと違う」という驚きや発見がたくさんあります。
この驚きは日本で育てた「アフリカ観」と「実際のアフリカ」の違いからくるのではないでしょうか。
私たちの「アフリカ観」を作るアフリカの情報は、テレビや新聞、広告から来るものが多いでしょう。
報道する側の方が偏った「アフリカ観」を持っているのでしょうか。
それとも受け取り側が偏った「アフリカ観」を持っているのでしょうか。
アフリカは紛争や貧困だけではない。
もっと多様なアフリカ観を日本で育むために、私たちに何が出来るのでしょう?
ゲストにNHK解説員・二村伸様、UNHCR広報官・守屋由紀様、フォトジャーナリスト・佐藤慧様にお越し頂き、TICADⅤ学生プロジェクトから辻とLabanを交えたパネルディスカッション。
そしてTICADⅤ学生プロジェクトの前田からキーノートスピーチを行いました。
― 気付かぬうちに持っているアフリカのイメージ「アフリカ観」
私たちは日本の中で生きていると、偏った「アフリカ観」を持ちがちです。
一歩踏み出して、実際にアフリカに行ってみると「あれ、イメージしていたアフリカと違う」という驚きや発見がたくさんあります。
この驚きは日本で育てた「アフリカ観」と「実際のアフリカ」の違いからくるのではないでしょうか。
私たちの「アフリカ観」を作るアフリカの情報は、テレビや新聞、広告から来るものが多いでしょう。
報道する側の方が偏った「アフリカ観」を持っているのでしょうか。
それとも受け取り側が偏った「アフリカ観」を持っているのでしょうか。
アフリカは紛争や貧困だけではない。
もっと多様なアフリカ観を日本で育むために、私たちに何が出来るのでしょう?
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—アフリカを報道する際の難しさ、課題。
二村伸さん
「テレビやメディアの問題点は3つあります。
1つめに、様々な制約による断片的な情報。1、2分という時間や数百字という字数の制限の中で、すべては伝えられない。戦争があれば、「戦争」だけを伝え、そこに暮らしている人々のことは伝えられない。
2つめに、アフリカの話は遠い世界の話だから、視聴者の関心を引けないという先入観。例えば報道側で『アフリカの話は視聴者の関心をひけないだろう』と思っていた南スーダンのニュースをどうにか報道してもらった。それが実際には1週間の中で最も高い視聴率をとったんです。
そして3つめに、危険なため現場の生の声を入手しにくい現実。紛争の報道にあたって現地に行くことさえ難しく、二次的な情報になってしまうのです。」
「まずは、『疑ってかかってください』。ニュースは断片的な情報です。知りたいと思ったら問い合わせ、もしくは自分で調べる、そして、最後には自分の目で見るということをしてください。
更には『声をあげること』皆さんが関心を持っている、ということを伝えることが報道側を変えることが出来ます。
二村伸さん
「テレビやメディアの問題点は3つあります。
1つめに、様々な制約による断片的な情報。1、2分という時間や数百字という字数の制限の中で、すべては伝えられない。戦争があれば、「戦争」だけを伝え、そこに暮らしている人々のことは伝えられない。
2つめに、アフリカの話は遠い世界の話だから、視聴者の関心を引けないという先入観。例えば報道側で『アフリカの話は視聴者の関心をひけないだろう』と思っていた南スーダンのニュースをどうにか報道してもらった。それが実際には1週間の中で最も高い視聴率をとったんです。
そして3つめに、危険なため現場の生の声を入手しにくい現実。紛争の報道にあたって現地に行くことさえ難しく、二次的な情報になってしまうのです。」
「まずは、『疑ってかかってください』。ニュースは断片的な情報です。知りたいと思ったら問い合わせ、もしくは自分で調べる、そして、最後には自分の目で見るということをしてください。
更には『声をあげること』皆さんが関心を持っている、ということを伝えることが報道側を変えることが出来ます。
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守屋由紀さん
「みなさんのもっている『イメージ』と『現実』のギャップをどのように伝えるか、といったジレンマがあります。
例えば難民問題はアフリカだけではありません。アジアもヨーロッパもたくさんいる。更にはキャンプだけではなく都市部で生活している難民や、日本にいる難民もたくさんいます。
難民問題はニュースに取り上げられているときだけが問題ではありません。中には20年以上も難民生活を送っている人もいますし、彼らは自分たちが好き好んで、そうなったわけではありません。あなたも、私も難民になる可能性があります。
数字で『数千万人の難民が』ということを見るだけではなく、今を生きている人たちがどのような思いでいて、どのようにして自分たちの人生を切り開こうとしているか、ひとりひとりのそれぞれの思いを伝えていくことが私の仕事だと思っています」
「もし、今ここで爆撃が起こったとして、子どもがいる、夫はどこかに連れ去られてしまったまま。あなたがそのお母さんと一緒の立場だったら?
自分がそういう状況に置かれたことを想像してほしいと思います。
自分に置き換えることで、難民問題が近くなる。
UNHCRにはアフリカ現地の日本人職員が大勢います。なるべく多く、彼ら自身が直接伝える現場からのメッセージをHPやFacebookやtwitterといった手段を利用し、見ていただきたいと思います。」
「みなさんのもっている『イメージ』と『現実』のギャップをどのように伝えるか、といったジレンマがあります。
例えば難民問題はアフリカだけではありません。アジアもヨーロッパもたくさんいる。更にはキャンプだけではなく都市部で生活している難民や、日本にいる難民もたくさんいます。
難民問題はニュースに取り上げられているときだけが問題ではありません。中には20年以上も難民生活を送っている人もいますし、彼らは自分たちが好き好んで、そうなったわけではありません。あなたも、私も難民になる可能性があります。
数字で『数千万人の難民が』ということを見るだけではなく、今を生きている人たちがどのような思いでいて、どのようにして自分たちの人生を切り開こうとしているか、ひとりひとりのそれぞれの思いを伝えていくことが私の仕事だと思っています」
「もし、今ここで爆撃が起こったとして、子どもがいる、夫はどこかに連れ去られてしまったまま。あなたがそのお母さんと一緒の立場だったら?
自分がそういう状況に置かれたことを想像してほしいと思います。
自分に置き換えることで、難民問題が近くなる。
UNHCRにはアフリカ現地の日本人職員が大勢います。なるべく多く、彼ら自身が直接伝える現場からのメッセージをHPやFacebookやtwitterといった手段を利用し、見ていただきたいと思います。」
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佐藤慧さん
「私たちが伝えているのは、情報のひとつのピースです。発信者が異なればピースも異なる。僕のピースも、皆さんの判断材料のひとつとして利用してほしいと思っています。
それを前提に、僕はカメラを選びました。カメラという道具は絶対にその場所にいかなければいかない。本で読んだり、授業で習ったことではなく、五感で感じたことしか伝えられません。僕は『事実』ではなく『僕自身が五感で捉えたもの』を皆さんに伝えることで関心を持ってほしいと思っています」
「やっぱり、なにかを知ろうと思ったら自分自身から行くことが一番早い。
実際に行って、目で見て、その土地の空気を吸って、その人と対面し、あなたの目の前にある感情こそがそれだと思います。
また、今、アフリカはものすごいスピードで成長しています。しかし、経済成長の陰で、経済というものさしから検出されない、“なにか”はじき出されるものが生まれる危険性はぬぐえませんし、『無価値』と判断されてしまう人が出てくる危険性も孕んでいる。これはアフリカと日本、双方で言えることだと思います。
ぼくたちが他の人たちの『生活を知ること』『幸せを知ること』『苦しみ」を知ることで、自分たちの価値観や生き方を問い直す指標になるのではないかなと思います。」
辻からはお三方の言葉をふまえ、以下のように述べました。
「いまそれぞれ頂いた2点『伝える難しさ』『私たちに出来ること」をまとめると
①関心を持つ
②その関心に情報を集めるなどの行動を起こす
③自分が実際に現地に行く
というフェーズがあるのかなと思います。私は実際に①②③のフェーズを経て自分がアフリカに行って帰ってきたとき「ケニアってこういう場所なんやで」と人に伝えることで自分が新たな“発信者”になったんだと感じました。
報道は「あなたとわたしがつながること」が根本にあると思うんです。現場と自分の繋がり、自分と受信者の繋がり。
現場で直接繋がってきてくださった二村さんや佐藤さんの情報をとっても大事に受け止めたいし、守屋さんが伝えてくださる現場の声に私たちも手を伸ばすべきだと思います。
私たちがそれぞれ受信者・発信者である意識を持ち、関心がある人間として、今日からアクションを起こしていくのもありかなと思います。」
「私たちが伝えているのは、情報のひとつのピースです。発信者が異なればピースも異なる。僕のピースも、皆さんの判断材料のひとつとして利用してほしいと思っています。
それを前提に、僕はカメラを選びました。カメラという道具は絶対にその場所にいかなければいかない。本で読んだり、授業で習ったことではなく、五感で感じたことしか伝えられません。僕は『事実』ではなく『僕自身が五感で捉えたもの』を皆さんに伝えることで関心を持ってほしいと思っています」
「やっぱり、なにかを知ろうと思ったら自分自身から行くことが一番早い。
実際に行って、目で見て、その土地の空気を吸って、その人と対面し、あなたの目の前にある感情こそがそれだと思います。
また、今、アフリカはものすごいスピードで成長しています。しかし、経済成長の陰で、経済というものさしから検出されない、“なにか”はじき出されるものが生まれる危険性はぬぐえませんし、『無価値』と判断されてしまう人が出てくる危険性も孕んでいる。これはアフリカと日本、双方で言えることだと思います。
ぼくたちが他の人たちの『生活を知ること』『幸せを知ること』『苦しみ」を知ることで、自分たちの価値観や生き方を問い直す指標になるのではないかなと思います。」
辻からはお三方の言葉をふまえ、以下のように述べました。
「いまそれぞれ頂いた2点『伝える難しさ』『私たちに出来ること」をまとめると
①関心を持つ
②その関心に情報を集めるなどの行動を起こす
③自分が実際に現地に行く
というフェーズがあるのかなと思います。私は実際に①②③のフェーズを経て自分がアフリカに行って帰ってきたとき「ケニアってこういう場所なんやで」と人に伝えることで自分が新たな“発信者”になったんだと感じました。
報道は「あなたとわたしがつながること」が根本にあると思うんです。現場と自分の繋がり、自分と受信者の繋がり。
現場で直接繋がってきてくださった二村さんや佐藤さんの情報をとっても大事に受け止めたいし、守屋さんが伝えてくださる現場の声に私たちも手を伸ばすべきだと思います。
私たちがそれぞれ受信者・発信者である意識を持ち、関心がある人間として、今日からアクションを起こしていくのもありかなと思います。」
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Laban
「みんな人間。アフリカ人も日本人も、中国人もアメリカ人も。みんなは人間。We are all limited.
日本の高齢女性に『iPhoneをあなたも使えるの?』と聞かれて、アフリカの人は携帯を使えない。そう思われていることに、違和感を覚えた経験をしました。日本ではアフリカのことが本当に知られていない。
人生にチャレンジは付き物だし、どこの国の人がどこの国にいたとしても We all have to work hard.」
「アフリカを深く、知りたいと思ったら、まずつながってください。
人間と人間。誰かと。Heart to heartで。
店長に怒られたバイト帰り僕は『日本人嫌だな…』と思いました。でもその帰り道知らない人が僕にいきなりコーラをくれました。5分前まで嫌だと思っていたのに『日本人すばらしい!』と思っていました。だからひとりひとり違うこと、知らないといけない。
誰でもいいんです。日本人たまに『英語できないから』って言うけど。英語以外に、心と心connectionが必要だと思うんですね。」
統括
「今回のテーマ、『ユースの考えるアフリカ観』。私たちユースは何の肩書きも背負わず、ビジネスだから、外交だから、と目的を持たずに旅が出来ます。
また、長期で海外にゆったりと生活できるのもひとつ若者の強みです。『あなたを知りたい』『あなたはどんな人なの?』と純粋に質問が出来る私たちだからこそ貪欲にアフリカを知って、伝えていくことが出来るのではないでしょうか。
報道をするみなさんと手を携えて、ユースから新しいアフリカ観を生み出していきましょう!」
報道。
日本に生きる私たちとは切っても切れない関係があります。
しかし、報道がすべてというわけではありません。
情報をどう受け取り、どう生かしていくのか、それは受け手である私たちのすべき選択です。
人からの情報も大切ですが、自分の目で見るということ、それにより新たな世界、価値観が生まれるでしょう。
トークショー開催に当たり、外務省様、日広通信社様、ゲストの二村伸様、守屋由紀様、佐藤慧様、そして本日来場していただいた皆様に感謝いたします。
貴重な機会を本当にありがとうございました。
「みんな人間。アフリカ人も日本人も、中国人もアメリカ人も。みんなは人間。We are all limited.
日本の高齢女性に『iPhoneをあなたも使えるの?』と聞かれて、アフリカの人は携帯を使えない。そう思われていることに、違和感を覚えた経験をしました。日本ではアフリカのことが本当に知られていない。
人生にチャレンジは付き物だし、どこの国の人がどこの国にいたとしても We all have to work hard.」
「アフリカを深く、知りたいと思ったら、まずつながってください。
人間と人間。誰かと。Heart to heartで。
店長に怒られたバイト帰り僕は『日本人嫌だな…』と思いました。でもその帰り道知らない人が僕にいきなりコーラをくれました。5分前まで嫌だと思っていたのに『日本人すばらしい!』と思っていました。だからひとりひとり違うこと、知らないといけない。
誰でもいいんです。日本人たまに『英語できないから』って言うけど。英語以外に、心と心connectionが必要だと思うんですね。」
統括
「今回のテーマ、『ユースの考えるアフリカ観』。私たちユースは何の肩書きも背負わず、ビジネスだから、外交だから、と目的を持たずに旅が出来ます。
また、長期で海外にゆったりと生活できるのもひとつ若者の強みです。『あなたを知りたい』『あなたはどんな人なの?』と純粋に質問が出来る私たちだからこそ貪欲にアフリカを知って、伝えていくことが出来るのではないでしょうか。
報道をするみなさんと手を携えて、ユースから新しいアフリカ観を生み出していきましょう!」
報道。
日本に生きる私たちとは切っても切れない関係があります。
しかし、報道がすべてというわけではありません。
情報をどう受け取り、どう生かしていくのか、それは受け手である私たちのすべき選択です。
人からの情報も大切ですが、自分の目で見るということ、それにより新たな世界、価値観が生まれるでしょう。
トークショー開催に当たり、外務省様、日広通信社様、ゲストの二村伸様、守屋由紀様、佐藤慧様、そして本日来場していただいた皆様に感謝いたします。
貴重な機会を本当にありがとうございました。